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まち ライフスタイル

ウサギの島、大久野島

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ウサギの島、大久野島

「カピバラ好き」を自認し、ことあるごとに吹聴している私であるが、大幅に妥協して、ウサギの島として有名になった大久野島に行ってきた。広島県南部、竹原市の忠海(ただのうみ)港から船で15分。遊歩道でぐるっと1周しても3km程度の小さな島である。

 

この島にウサギが棲むようになった経緯については諸説あるようだが、長い年月を経て現在は700羽程度が生息しているとのこと。宿泊施設の国民休暇村の周りや遊歩道でたくさんのウサギたちと会える。想像していたよりも多く、実感としては700以上いそうな気がした。外敵もいないようで原っぱで無防備な姿で昼寝するやつも多く、全くもって緊張感のない生活をしている。カラスがやってきてガーガー鳴いていたが、気にも留めていないようだった。勝てる秘策でもあるのだろうか。

そんなウサギたちは人間にもすっかり馴れており、一介の旅人である私を見かけてもエサを求めて近づいてくる。しかしエサを持っていないとわかると軽蔑と悲しみのまなざしをこちらに一瞬向けて去っていくのである。私としては緊張感のないウサギたちにも生きる厳しさを教えるため、心を鬼にしてエサを持たずに対峙したというわけだが、このあたりには人間vsウサギの微妙な駆け引きがあり(勝手な想像)、なかなか楽しい。

 

さて、そろそろこのブログの存在意義を問われそうなので、ここでバイオフィリアという言葉についてご紹介しよう。
これはbio(生物)とphilia(愛)を組み合わせた造語で、人は動植物や自然に対する愛情を「先天的に」もっている、という考え方・仮説である。確かに、自分に危害を及ぼすようなものでもない限り、動物に接したり植物を目にしたりすることでポジティブ気分(楽しい、癒されるなど)になることは多くの方がふだん経験することだろう。なぜ人は部屋に観葉植物を置きたくなったり、ペットを飼ってみたくなったりするのかを屁理屈好きな大人(私か?)に説明するのは難しいが、それが本能のようなものであるとすれば案外わかりやすい。根底にある欲求が満たされるから心地よいのだ。そして逆説的に言うと、もし他の生き物を意味もなくただ殺すことが本能だったら、人類は地球上に存続していなかったにちがいない。

都市化の進む近年、建築空間に動植物などの自然の要素を取り入れたバイオフィリックデザインが注目されてきており、幸福になったり、オフィスでの知的生産性が向上したりといった効果も明らかになりつつある。オフィスでウサギと同居するのは衛生的に難しそうだが、観葉植物も窓からの景色も太陽の日差しも人をちょっとずつ幸せにするバイオフィリック要素なのだ。

 

さて、そんな「バイオフィリアな」大久野島だが、第2次大戦中は毒ガスを秘密裡に製造・貯蔵する拠点となっていたことから、現在でも関連施設や砲台などが遺構として散在し、遊歩道からも容易にアクセスできる。それらは風雨にさらされ続けた廃墟であり、中には今にも崩れてしまいそうなものもあったが、その姿は時間の流れや過去の悲惨な経験を強く語りかけてくる。そしてそのすぐそばにはのんびり昼寝する太ったウサギ。この対比の強さに平和のありがたさを思わずにいられなくなる。

 

心と体が元気になり、平和に思いをはせることもできる大久野島。次の旅先の候補に加えてみてはいかがだろうか?

 

【クロッキー閣下】

 

 

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